脚本分析36(禁止令)

①考えることが苦手

②意見を求められると、緊張する

③何かを選択しなければならない時、自分では選べない

④何かを決断しなければならない時、自分では決められない

⑤困ったことが起きると、解決策を考えるのではなく、ただただ混乱し感情的になる


これらは、「考えるな」という禁止令(インジャンクション)に縛られている状態の例です。


子どもが「考えるな」の禁止令(インジャンクション)の材料にしやすいものには、例えば次のようなことがあります。

①子どもが考えるより先に、家族が決めてしまう

②子どもが意見を言うと、家族が怒ったり不機嫌になったりする

③家族が子どもの意見を無視したり軽視したりする

④子どもの選択や決断を家族が否定する

⑤問題に直面した家族が、子どもの前で、混乱し感情的な振る舞いをする


もう10年ほども昔のことですが、スーパーマーケットで買い物中の母子のやりとりに衝撃を受けたことがありました。
母親(らしき人)が小学校低学年くらいの女の子に、「どのジュースにする?」と訊いています。ただ、その口調が抑揚なく大根役者のセリフのようで、違和感を感じ、思わず、聞き耳を立ててしまいました。
女の子は、返事をしません。何とも言えない緊張感が漂います。
「どれ?」とさらに母親。
女の子は、観念したかのようにオレンジジュースを指さすと、次の瞬間、パッと走り去っていきました。
そして、その直後の母親の言葉に、私はぞくっとしました。「リンゴジュースの方が良いのに」。そして、当然のように買い物かごにはリンゴジュースを入れていました。
おそらく、女の子はこうなることを知っていたのでしょう。もう何百回何千回と繰り広げられてきた母子のやりとりだったのでしょう。自分の考えを否定する母親の言葉と行動を知る前にその場を立ち去る、という彼女なりの賢い対処法だったのでしょうね。
彼女は今どうしているでしょうか。「考えるな」の禁止令(インジャンクション)を考えるたびに彼女のことを思い出します。
傷ついてはいるでしょうが、上手に逃げる術も身につけていたので、きっとそれほど「考えるな」の呪縛に縛られた不自由な生活はしていないはず、と無力だった私自身を慰めるために思ったりしています。
幼少期の体験は、多くが養育者などの家族に大きく影響されます。でも、完全に受け身なのではなく、自分がそれをどう受けるか、あるいは流すか、ということで、自分の生き方を自分で作ることができます。
小さい頃には、上手に対処する方法が見つからなくて、今禁止令(インジャンクション)に悩まされているとしても、今からでも、過去の体験をどう受け、あるいはどう流すか、それを自分で選ぶことで、自分の生き方を再構成することができるのです。


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[ 2016/11/01 11:09 ] 未分類 | TB(-) | CM(2)
気持ちが良いです。ここに私の生き辛さと言いますか、振り回された人生、自分の意志で選択出来なかった人生、それが今に至るというのを実感する日々です。
もういい年をしていい加減… なのですが、高齢な母に今更言う事など考えられないというのと、母を含めて我が家族と断絶の状況では怒りをぶつけることももはや出来ず、感情を乗り越えたくても乗り越えられないと理解しているつもりですが、やはり心の奥に何かが引っかかってるのは消えませんね。姉たちの内1人だけでもいいからじっくり話を聞いてくれる人がいればかなりスッキリするのでしょうけど、そんな事は期待出来ません。出来たらそもそもこういう生きづらさは無かったでしょうね…
親への恨みが、未だに沸々としている今日このごろ、考えるな、存在するなの禁止令を明確にする文章に胸が掬う思いです。ここに辿り着きました。ありがとうございました。
[ 2017/02/21 15:47 ] [ 編集 ]
Re: タイトルなし
> 気持ちが良いです。ここに私の生き辛さと言いますか、振り回された人生、自分の意志で選択出来なかった人生、それが今に至るというのを実感する日々です。
> もういい年をしていい加減… なのですが、高齢な母に今更言う事など考えられないというのと、母を含めて我が家族と断絶の状況では怒りをぶつけることももはや出来ず、感情を乗り越えたくても乗り越えられないと理解しているつもりですが、やはり心の奥に何かが引っかかってるのは消えませんね。姉たちの内1人だけでもいいからじっくり話を聞いてくれる人がいればかなりスッキリするのでしょうけど、そんな事は期待出来ません。出来たらそもそもこういう生きづらさは無かったでしょうね…
> 親への恨みが、未だに沸々としている今日このごろ、考えるな、存在するなの禁止令を明確にする文章に胸が掬う思いです。ここに辿り着きました。ありがとうございました。

carmenc様

コメントありがとうございました。
生きづらさのルーツを知ることで、もやもやした霧が少し晴れたようですね。
お母様やお姉様たちに対する色々な思いが錯綜して、おつらいでしょうね。
直接ぶつけられないので思いをどうしようもできない・・・とお考えになられているのでしたら、そうでもありませんよ。
カウンセリングで思いを吐き出して受けとめてもらったり(うちでもやっています)、ご自身で、文章や絵をかいたりして、滞っている感情を開放したりする方法で、過去の呪縛を解いて前を向いて進んでいけるようになった人たちを、大勢知っています。
文章は、詩でもいいし、お母さん宛ての手紙(出さない手紙)でもいいし、苦しかった子ども時代の自分に宛てた手紙でもいいです。絵は、悲しかった過去の絵日記風にしてもいいし、悲しかった感情を抽象的に描いてもいいです。
生きづらい環境の中で苦しんで、それでも今生きているご自分を、労り褒めながら、心のワークをされることをお勧めします。
carmenc様の健やかな未来を応援しています。
[ 2017/02/22 10:15 ] [ 編集 ]
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プロフィール

坂田カウンセリングオフィス(坂田和代)

Author:坂田カウンセリングオフィス(坂田和代)
東京・大阪でのメンタルクリニック・専門学校相談室・NPOカウンセリングルームのカウンセラーを経て、2016年4月兵庫県姫路市で「坂田カウンセリングオフィス」を開業しました。文明の利器にはめっぽう弱いというセルフイメージに打克つべくブログを始めました。よろしくお願いします。



ホームページはこちらです⇒http://sakatacounsel.web.fc2.com/          (右側「リンク」から入れます)

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