①同性に対して、軽蔑心や嫌悪感がある
②異性に対して、激しい対抗意識がある
③男(女)らしい恰好や振る舞いが苦手
④自分が男(女)であることが嫌でしょうがない
⑤自分に自信が持てない
これらは、「おまえであるな(男であるな・女であるな)」の
禁止令(インジャンクション)に縛られている状態の例です。
子どもが「おまえであるな」の禁止令(インジャンクション)の材料としやすいものは、例えば次のようなことです。
①男(女)の子を望んでいたのに違う性別の子どもが生まれたので、家族が落胆した
②自分とは違う性別のきょうだいばかり、家族から可愛がられている
③「男(女)の子だから育児が大変」と、養育者が繰り返し言う
④養育者が、違う性別の子どものような服装や遊び、言葉遣いなどを奨励する
⑤養育者が「理想の子ども」のイメージを押し付けたり、それと比較したりする
養育者の態度や言葉から、無意識のうちに「自分が養育者に愛されるためには(生きのびるためには)、男(女)であってはいけないんだな、ありのままの自分であってはいけないんだな」と感じとり、ありのままの自分を生きることを自分で禁止し、大人になった今もそのままであるときに、「おまえであるな」の禁止令(インジャンクション)に支配されて生きている、と交流分析では考えます(性別違和は、先天的要因もあると言われていますので、すべてを禁止令で説明できるわけではありません)。
自分が自分らしく、ありのままに生きることを望むなら、過去に自分が下した生き方の決断(「ありのままであることをやめなければならない」という決断)と対決していくことが、必要になります。悔しい思い、悲しい記憶が蘇るかもしれません。苦しい過去に向き合うときは、過去のことを責めたり悔いたりすることにとどまらず、新しい未来の展望を持ち、それに向けての現在の対決なのだということを、自覚するようにしてください。くれぐれも、過去に溺れてしまわないように、気をつけてくださいね。
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