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ラケットシステム1

前回人生脚本に関わる話をしたので、少しそのことを深めてお話ししたいと思います。

リチャード・アースキンとマリリン・ザルクマンが発表した「ラケットシステム」というものがあります。
これは、「脚本に縛られた個人によって維持される、感情と思考と行動の自己強化する歪曲されたシステムである」と定義されています。

ラケットシステムの構成要素は、次の3つです。
①脚本の信条と感情
②ラケット的表出
③強化記憶

詳しい説明は次回以降にさせていただくとして、今大まかにこの3つを説明すると、

①「脚本の信条と感情」
幼少期の人間関係の体験から、自分・他者・人生についての否定的な定義を考えつき、体験を重ねるごとにそれを真実であると思い込んでいってしまったもの。そこにはその時に経験したラケット感情と抑圧した感情も色濃く貯蔵されている。

②「ラケット的表出」
ラケット感情、ラケット心理ゲームドライバー行動インジャンクション(禁止令)に基づく行動など、人生脚本に沿った行動や思考や感情のこと。

③「強化記憶」
脚本の信条を強化する記憶のこと。「あの時こんなことがあった、それはやっぱり自分が~だからだ。他者が~だからだ。人生が~だからだ」と思い返すこと。

こうやって見てみると、どれも、ディスカウント(値引き)の塊ですね。

そして、「脚本の信条と感情」「ラケット的表出」「強化記憶」という3つの構成要素は、それぞれに作用しあい、強め合っている、とされます。
言ってみれば、ディスカウント(値引き)の塊ががっちりと組織され、その中でどんどんディスカウント(値引き)を強固なものにしていく、という仕組みです。

「主人に殴られちゃって、フフフ」と「絞首台の笑い」をしているAさん(フィクションです)を例にとって考えてみましょう。

①子どもの頃に、親から殴られて、怒りを表出したところさらに殴られた。その意味を自分で納得するために、「自分は殴られても仕方ない存在だ」「他者は私を下に見て下に置こうとする存在だ」「人生とは、苦難に耐え続けることだ」と、脚本の信条を作った。本物の感情の「怒り」は封印され「自虐的感情」をラケット感情とした。
②「主人に殴られちゃって、フフフ」と笑って話す(ラケット的表出)。
③それを聞いた友人が「あらまあ、フフフ」と笑ったのを見て、「やっぱりね。私は殴られても仕方ない存在で、他者は私を下に見て笑っている。私の人生は苦難に耐えるだけの人生だ」と、脚本の信条を強め、「自虐的感情」(ラケット感情)を強めた。そして、この経験も脚本の信条と感情を強める強化記憶に貯蔵された。
④「この前もこの話をしたら、友達に『本当に不幸癖が抜けないわね。フフフ』と笑われた。やっぱり、私は殴られる運命だし、他者はみんな私を下に見ている。これからの人生も苦難に耐え続けなければいけないんだろうな」と、過去の出来事を思い出し脚本の信条を強めた(強化記憶)。
⑤脚本の信条と感情が強化され、次なるラケット的表出(無意識のうちに夫に自分を殴らせる状況を作る)を呼び、それがまた脚本の信条と感情を強め、また強化記憶となり、脚本の信条と感情が強化されて・・・と、悪循環が続いていく・・・

「ラケットシステム」は、気づかないままディスカウント(値引き)を増殖し強化していく恐ろしい仕組みと言えますね。

けれど、「ラケットシステム」の恐ろしい動きを止める方法も、提案されています。
それは、また次回に。


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[ 2018/03/05 12:30 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)
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プロフィール

坂田カウンセリングオフィス(坂田和代)

Author:坂田カウンセリングオフィス(坂田和代)
東京・大阪でのメンタルクリニック・専門学校相談室・NPOカウンセリングルームのカウンセラーを経て、2016年4月兵庫県姫路市で「坂田カウンセリングオフィス」を開業しました。文明の利器にはめっぽう弱いというセルフイメージに打克つべくブログを始めました。よろしくお願いします。



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