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ディスカウント14

ロジャーズのパーソナリティ理論はとても奥深いので、機を改めてお話ししますが、交流分析のディスカウント(値引き)と特に関係があると思われるところだけを、数回に分けて、極々簡単にご紹介したいと思います。

以下、『パースナリティと行動についての一理論』(カール・R・ロジャーズ著 友田不二男訳 全日本カウンセリング協議会出版部/原典は『ロージャズ全集(岩崎学術出版社)』)から、抜粋・引用します。

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(1)個人はすべて、自分が中心であるところの、絶え間なく変化している経験の世界(world of experience)に存在する。

この私的世界(private world)は、現象の場(phenomental feild)とか経験の場(experienceworld)とか呼ばれ、あるいは他のいろいろの用語で記述される。それは、有機体によって経験されるものすべてーそれらの経験が意識的に知覚されようとされまいとーを包含する。したがって、わたくしが坐っている椅子がわたくしの尻に与えている圧力は、わたくしが一時間経験している何かであるが、しかし、わたくしがそれについて考えかつ記述するときにのみ、その経験についての象徴(symbolization)が意識にのぼるようになる。(中略)
この個人の経験の私的世界においては、その経験のほんの一部分だけが、しかもおそらくは非常に小さい部分だけが、意識的に経験されるということを認識すべきであろう。(中略)
しかしながら、またこの経験の世界の大部分は、意識化させることができるのであって、もしも個人の要求が、ある感覚をはっきりするようにしようとするならば、それらの感覚は要求の充足と結びつくので意識されるようになる、ということも真実である。換言すれば、個人の経験の大半は、知覚の場(perceptual field)の素地(ground)を構成するが、しかしそれは、容易に図形(figure)となりうるのであって、その場合には他のいろいろの経験は素地へとすべり込むのである。(後略)
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噛み砕いて言うと、私たちが有機体(生身の生き物)として身体全体で経験していることは、たくさんあるけれども、意識化されるのは、そのうちの、意識化したいと思うものだけであり、それ以外のものは意識化されない、ということです。
ちなみに、「素地(地)」というのは、知覚心理学で、「図形(図)」の背景となって特に認識されない部分のこと、「図形(図)」は認識される部分のこと、を言います。

交流分析のディスカウント(値引き)も、経験している色々なことの全てを見ているのではなかったですね。ものによって、選択的に、見たり見なかったりしていました。

また、この命題(1)の後段は、今回は引用しての紹介はしませんが、カウンセラーとして決して忘れてはいけないことが書かれていると思います。
それは、私的世界で経験していることをそのまま知ることが出来る可能性があるのは、それを経験しているその人本人以外にない、ということです。
カウンセラーの方がクライエントよりクライエントのことを良く見えている、わかっている、と傲慢な錯覚に陥る危険についての戒めだと思っています。
カウンセラーがクライエントをディスカウント(値引き)することは避けたいですね。


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[ 2017/10/06 12:16 ] 未分類 | TB(0) | CM(4)
哲学みたいだと思いました。
 坂田和代先生へ

 私は、お恥ずかしながら心理学も聞きかじった知識ですが・・・今日のお話は哲学のような気がしました。私は哲学も無知で恐縮ですが。
 先生の今日のお話を見て、星座占いの子を思い出しました。意識化できなかったほど無意識の中?暗闇の中にあったのかな?その知覚?認識?
 私の話というのは、学生の頃のコンパでの一コマ。星座占いで「私は良いことだけ信じます!」と豪語した女の子がいました。それは、おかしな話だと思いました。星座占いの良いこと、悪いことを含めて信じるから、信じないようにしているからじゃんと思いました。・・・私のコメントの角度がちょっち違いましたね。
 今日、帰りに、カフェでさんざん星座占いや・・・なんかをしたのに、コンパの子の星座占いの矛盾?少しずれたお話は、先ほどまで、断片さへ、一ミリさへ意識化していませんでした。先生のブログにコメントをさせてもらおうと思い、文章を書き、星座占いの話が引っ張りあがってきました。人間の脳の奥深さなのでしょうか?私の話がズレています。 結局、受容と共感といへども、痛みは、痛みとして同じような重さで共有できないということでしょうか?だからこそ想像と思いやりと優しさで・・・寄り添って共に生きていくのでしょうか?そっと寄り添うこと。私には難題です。話を聴かない男・・・私はまさに典型です。
[ 2017/10/06 17:44 ] [ 編集 ]
Re: 哲学みたいだと思いました。
>  坂田和代先生へ
>
>  私は、お恥ずかしながら心理学も聞きかじった知識ですが・・・今日のお話は哲学のような気がしました。私は哲学も無知で恐縮ですが。
>  先生の今日のお話を見て、星座占いの子を思い出しました。意識化できなかったほど無意識の中?暗闇の中にあったのかな?その知覚?認識?
>  私の話というのは、学生の頃のコンパでの一コマ。星座占いで「私は良いことだけ信じます!」と豪語した女の子がいました。それは、おかしな話だと思いました。星座占いの良いこと、悪いことを含めて信じるから、信じないようにしているからじゃんと思いました。・・・私のコメントの角度がちょっち違いましたね。
>  今日、帰りに、カフェでさんざん星座占いや・・・なんかをしたのに、コンパの子の星座占いの矛盾?少しずれたお話は、先ほどまで、断片さへ、一ミリさへ意識化していませんでした。先生のブログにコメントをさせてもらおうと思い、文章を書き、星座占いの話が引っ張りあがってきました。人間の脳の奥深さなのでしょうか?私の話がズレています。 結局、受容と共感といへども、痛みは、痛みとして同じような重さで共有できないということでしょうか?だからこそ想像と思いやりと優しさで・・・寄り添って共に生きていくのでしょうか?そっと寄り添うこと。私には難題です。話を聴かない男・・・私はまさに典型です。

こんにちは。
核心をついたコメントありがとうございました。
全然ズレていませんよ。
哲学っぽいというお話も、なるほど、昔は大学の哲学科の中に心理学専攻があったと聞きますし。
星占いの女の子の話も然り。
さっきまで全く思い出さなかったのに急に思い出したのも。
意識したいと思うものだけを意識する、絶え間なく心の中は変化している、ということですね。
最後のコメント、当人と同じほどには痛みを感じることができないからこそ、想像力と思いやりをもって・・・ということも、私がカウンセラーを目指す人に一番熱く語っていることです。
ブログ内容を深めるコメントをありがとうございました。
[ 2017/10/07 11:55 ] [ 編集 ]
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[ 2017/10/07 21:39 ] [ 編集 ]
RE
コメントありがとうございました。
いにしえからある仏教で、同じようなことを言われているのですね。
『諸法無我』、良い言葉を教えていただき、ありがとうございました。
[ 2017/10/12 08:35 ] [ 編集 ]
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プロフィール

坂田カウンセリングオフィス(坂田和代)

Author:坂田カウンセリングオフィス(坂田和代)
東京・大阪でのメンタルクリニック・専門学校相談室・NPOカウンセリングルームのカウンセラーを経て、2016年4月兵庫県姫路市で「坂田カウンセリングオフィス」を開業しました。文明の利器にはめっぽう弱いというセルフイメージに打克つべくブログを始めました。よろしくお願いします。



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