対話分析2

交流分析では、コミュニケーション・パターンを次の3つに大別します。
  ①相補交流
  ②交差交流
  ③裏面交流

このうち、今日は 相補交流についてお話しします。

例を見てください。


例1) 同僚同士の対話
    Aさん「ここのランチ、おいしいね!」
    Bさん「本当、最高!」

ここでは、Aさんが「おいしいね!」と素直な感動をFCで発信しました。Bさんとこの感動を分かち合いたいという思いで、AさんはBさんのFC目がけて、コミュニケーションのボールを投げました。
すると、Aさんの期待通り、Bさんから、「本当、最高!」とFCからFCへと、コミュニケーションのボールが返ってきました。


例2) 職場の後輩と先輩の対話
    Cさん「すみません。わからないことがあるので、お時間あるときに教えていただけませんか?」
    Dさん「了解。ちょっと待ってね、後で声掛けるから」

この場面では、後輩のCさんが面倒見のよい先輩のDさんに、遠慮しながらも「教えていただけませんか?」と頼みました。
CさんはACから、DさんのNPに訴えかけたことになります。
すると、Cさんが期待した通り、DさんのNPから返事が返ってきました。


例3) 先生と生徒の対話
    Eさん「また遅刻か。しっかりしろよ」
    Fさん「すみません。気をつけます」

遅刻の多い生徒Fさんに対して、先生EさんはCPから注意をしました。
Eさんの期待通り、Fさんは反省の気持ちをACで返しました。     


どうでしょう?
3つの例はどれも、対話の雰囲気が穏やかですね。
このように、相補交流は、発信者が期待・予想した通りに、受信者からのコミュニケーションのボールが返ってくるので、対話の雰囲気に安心感があります。
図示したときに、発信者からと受信者からのベクトルが平行になるので、平行交流とも呼ばれます。
発信者・受信者ともに、使用している自我状態は1つだけで、言葉と異なる非言語のメッセージ(態度や表情、口振りなど)もありません。

受信者が相補交流になるようコミュニケーションのボールを返すことは、発信者を否定せず受け入れることになるので、相補交流の使い道としては、新しく人間関係を築きたいとき、信頼関係や親密感を深めたいとき、波風を立てたくないとき、相手にたくさん話してほしいとき、に有効です。


少し話がそれますが、「自分にはコミュニケーション能力が無い」とおっしゃる方が、最近のカウンセリングでは増えてきたように思います。
何でもかんでも「コミュニケーション能力」とひっくるめて用い、「コミュニケーション能力が低い、無い」とすぐにランク付けする、最近の社会の風潮には、問題提起したいところですが、それはさておき。
「自分にはコミュニケーション能力が無い」と思っていらっしゃる方は、そうでない方よりもコミュニケーションに気を遣っていることが、カウンセリングの中ではっきりしてくることが、よくあります。
「面白い話が出来ない」「会話に変化球を投げて盛り上げたいけど、出来ない」「聴くばかりになってしまう」と、自分の能力を低く見積もっていらっしゃるのですが、相手が心地よくいられる対話の基本は、相補交流です。「聴く」ことが出来て、相手の期待通りに話を返そうと常に心掛けていらっしゃるのは、人間関係の基本となる相補交流を大事にされている、ということで、私から見れば、「かなりコミュニケーション能力が高い」ということになるのです。
ただ、相手の期待通りに返球しなければ、という緊張感が強いために、裏面の交流(気まずくなったら怖い・・・怒らないでください)が表情や態度に滲み出てしまい、意図している相補交流にはならずに、裏面交流になってしまって、気まずい雰囲気を呼び込んでしまっている可能性はあります。裏面交流については、また後日お話ししますね。




       
   
    
スポンサーサイト
[ 2017/01/27 12:32 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

プロフィール

坂田カウンセリングオフィス(坂田和代)

Author:坂田カウンセリングオフィス(坂田和代)
東京・大阪でのメンタルクリニック・専門学校相談室・NPOカウンセリングルームのカウンセラーを経て、2016年4月兵庫県姫路市で「坂田カウンセリングオフィス」を開業しました。文明の利器にはめっぽう弱いというセルフイメージに打克つべくブログを始めました。よろしくお願いします。



ホームページはこちらです⇒http://sakatacounsel.web.fc2.com/          (右側「リンク」から入れます)

検索フォーム
カテゴリ