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機能分析16

前回は直観で描くエゴグラムを紹介しましたが、心理テストやチェックリストのエゴグラムもたくさん作られています。
有名な心理テストには、東京大学医学部心療内科TEG研究会のTEGや、適性科学研究センターのPCEがあります。

心理テスト・チェックリストのエゴグラムは、比較的簡単に実施できるので、病院やカウンセリングルーム、会社や学校など、色々な所で用いられているようです。

ただ、簡単に出来るがために、安易に用いられて、「エゴグラム被害者」が結構いるように思います。
カウンセリングで私が聴いたお話(詳細部分は個人を特定できないよう加工してあります)を、少し紹介しますね。


①Aさんの場合

会社でエゴグラムをした。
上司との面談で、「こんなにCPが高いのに、全然仕事に活かされていないよね。普通は、これくらいCPがあれば、遅刻したり勤務中に頻繁にトイレに立つなんてことは、まずないはずなんだけどね。君の責任感は、仕事には現れないんだね。仕事をなめているのか」と、言われた。
Aさんが遅刻したり頻繁にトイレに立ったりしているのは事実であるが、それは仕事をなめているのではなく、「自己臭恐怖症(実際には匂っていないが、本人は自分が臭い匂いを発していると思い込んでしまう症状)」によるもの。出勤前、何時間もかけて念入りに体を洗い、それでも不安になって再びシャワーを浴び直したりして、遅刻することが、これまでに数回あった。仕事中も、自分が臭くて周りに迷惑をかけていると気になって、トイレに行って、こっそり体を拭いている。
上司には話していないので誤解されてもしょうがないとは思うものの、一方的に、「仕事をなめている」と決めつけられたのは、ショックだった。
CPが高い分、遅刻してしまったり仕事に集中できなかったりする自分が、自分で許せず、どんどん自己嫌悪が進んでいく。そしてそれが、症状を更に悪化させている。


②Bさんの場合

子育て支援のカウンセラーに、強制的にエゴグラムをさせられた。
面談でカウンセラーから、「CPはお父さん的な厳しさ、NPはお母さん的な優しさ、なんです。ご自身の結果を見て、どう思われますか?」と訊かれた。暗に、「あなたは、お母さんらしくないですよね。もっと普通のお母さんみたいに優しく、子どもに接してあげて下さいね」と言われているようで、すごく傷ついた。
実はこの時、Bさんは、実家でのいざこざ、夫とのコミュニケーション不足、難しい国家資格試験の勉強、と色々なことが重なって、気持ちの余裕がなくなっている時だった。ただ、それでも、子どもの食事は栄養面を考えて3食きちんと作り、夜寝かしつける時には、昔から続けている絵本の読み聞かせも怠らなかった。自分でできる最大限の努力をしているのに、そのことが全く考慮されずに、「NPが低いから母親らしくない」「NPが低いのは、悪い母親」と、烙印を押されたようで、とても悔しかった。


まだまだたくさん、お話を聴いてきましたが、書いていて悲しくなってきたので、このくらいにしておきます。


エゴグラムを本人の希望ではなく実施して、事情や背景を理解しようとせずにエゴグラムの結果だけ見て、「あなたは○○が高い(低い)から□□だ」と一方的に決めつけ、実施者(上司や先生、カウンセラーなど)が望む理想像と比較し、「今のあなたはダメ。私が考える理想像に変わりなさい」と否定し押し付ける・・・それによって、深く傷ついて、自己嫌悪や人間不信に陥ってしまう・・・

こんな悲しいことにならないよう、エゴグラムの扱いには十分お気をつけ下さい。

エゴグラムは、他者にレッテルを貼ったり他者を変えさせたりするための道具ではありません。
もしそういう使い方をしたら、「凶器」になります。

エゴグラムは、本人が自分を知りたい、自分を変えたい、と願う時に、本人の意志で、その材料にすべく、用いられるべきものです。
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[ 2016/12/16 09:45 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)
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プロフィール

坂田カウンセリングオフィス(坂田和代)

Author:坂田カウンセリングオフィス(坂田和代)
東京・大阪でのメンタルクリニック・専門学校相談室・NPOカウンセリングルームのカウンセラーを経て、2016年4月兵庫県姫路市で「坂田カウンセリングオフィス」を開業しました。文明の利器にはめっぽう弱いというセルフイメージに打克つべくブログを始めました。よろしくお願いします。



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