脚本分析12(プロセス脚本)

「ドライバー」に関連するものに「プロセス・スクリプト(プロセス脚本)」があります。
今日は、その中で、「完全であれ」のドライバーが強い人が持ちがちな「・・・までは」脚本についてお話しします。

「・・・までは」脚本の例

①Aさんは子どもの頃からかれこれ40年、書道を続けている。周りの人から、「そろそろ個展を開いたら」と勧められるが、Aさんには自信がない。「もっと研鑽を積んでからでないと、無理」。書道教室を開く実力も認められてはいるが、「私なんて、まだまだ」と、教えてほしいという人にも丁重にお断りしている。

②自己変革のために心理学を学んでいるBさん。多くのスクール・研究会で学んできた。Bさんは言う。「心理学を究めて自分のことを十分に理解するまでは、私は変われない」。

③子育て中のCさん。毎日、家事と育児に追われ、疲れている。口癖は、「子育てが終わるまでは、私には自由は一切ないの」。

いい加減な人が目立つ今どきの社会で、とても好感度の高い人たちとも言えますが、「良いことは、それほど良くないこと(あるいは悪いこと)が済むまでは起こらない」という思い込みに縛られ、自分の可能性を狭めてしまっています。

「今できる範囲でやれば、それでいいんだ」と、思い込みを緩めてあげましょう。
全部をやり終える前にも楽しむことを、自分に許してあげましょう。
また、「完全であれ」のドライバーに「ありのままでいいのですよ」とアローワーを与えることも、「・・・までは」脚本から脱するのに有効です。
スポンサーサイト
[ 2016/08/31 09:57 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)

脚本分析11(ドライバー)

大学生のAさん(架空の人物)は、単位取得のためのレポートを抱えていました。連日図書館にこもり、提出期限前日には、友人から「これで一冊の本になるね」と驚かれるほど、膨大で詳細なレポートが完成しつつありました。ただ、Aさんには課題の中で1つだけ不明点が残っており、「これでは提出できない」と、更に根を詰めて不明点について書籍を当たりました。しかし、いくら調べても、Aさんが腑に落ちる答えは見つかりません。「答えを見つけなければ」と焦れば焦るほど、頭は空回り。結局、Aさんは提出期限にレポートを提出せず、その科目の単位を落としてしまいました。Aさんに残ったのは、虚無感のみ。

これは、「完全であれ」のドライバーに突き動かされて行動した結果、当初の目的を達することができず、虚無感に陥ってしまった例です。
このとき、Aさんに起こっていたのは、どんなことでしょう?
まず、「完全であれ」という、どうしても止められない心の中の声がありました。そこには、「完全でないと、絶対にダメだ」「完全でないと、認められない」「ありのままであるな」という、緊張を伴い、自分が自然体でいることを禁じる心の声がありました。この緊張を伴い、自然体でいることを禁じる心の声のことを「ストッパー」と言います。
ドライバーとストッパーが働くと、緊張のために、柔軟な思考回路がストップしてしまいます。
研究室にレポートを持ち込み担当教授に不明点について質問する、とりあえず提出した後教授に教えを仰ぐ、など、「単位を取得する」という当初の目的を達成するためにとれる行動は、いくらでもあったはずなのに、「完全でないと、恐ろしいことが起こる」という緊張のあまり、思考も行動もフリーズしてしまいました。
そして、「完全である」ことができなかった自分を責め、また大学の環境を責め、嫌な気分を味わってしまいました。

このような流れを、交流分析では「ミニ・スクリプト(ミニ脚本)」と言います。
「ドライバー」と「ストッパー」が作動→柔軟な思考・行動ができない→「ドライバー」に応えられない→自分を責めたり他者を責めたりする→嫌な気分(FMP:final mini script pay off)を味わう。

そして、「ミニ・スクリプト」を次のような「OK・スクリプト」に置き換えていきましょう、と交流分析は提案します。
「ドライバー」作動→それに気づく→「アローワー(許すもの)」を心の中に置く→自由で自然体な思考・行動が可能となる→喜びを得る。

「アローワー」とは具体的には次のようなものです。

①「完全であれ」に対して→「ありのままでいいのですよ」
②「他人を喜ばせよ」に対して→「自分を大切にしていいのですよ」
③「一生懸命やれ」に対して→「それをしさえすればいいのですよ」
④「強くあれ」に対して→「自由に感情を表に出していいのですよ」
⑤「急げ」に対して→「ゆっくりしていいのですよ」

子供の頃に思い込んでしまった「自分は~でなければいけない」「もし自分が~でないと、恐ろしいことが起こる」という考えを、自分自身で修正していく方法です。何度も何度も繰り返していくことで、アローワーがしっくりと自分のものになっていきます。
「恐ろしいことが起こる」という緊張・不安が強いほど、なかなか一人では修正しにくいものです。無理はせず、ただ、頭の中に、「そういう理論もあったなあ」と置いておくだけでも、だいぶ違うと思います。

[ 2016/08/30 10:34 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)

NPO法人IATH副理事長をお引き受けしました

昨日行われた臨時総会において、特定非営利活動法人IATH(イアス)の副理事長に就任しました。
IATHは、’The International Association of Therapists with Hope'の略称で、「癒す」という響きを含んでいます。
日本心理療法士協会と日本フラワーハートセラピスト協会の集合体であるIATHは、カウンセラー・セラピストを育成すると共に、その活動をサポートし、心豊かで希望あふれる未来のために社会貢献することを目的としています。
会員でない方も参加できるセミナー・ワークショップも開催する予定です。詳細が決まりましたらご案内しますね。ぜひ遊びに来てください。
[ 2016/08/29 08:31 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)

脚本分析10(ドライバー)

心を駆り立てる心の中の声「ドライバー」がはたらいている時のシグナルがあります。
以下、『交流分析による人格適応論』(ヴァン・ジョインズ&イアン・スチュアート 著  白井幸子・繁田千恵 監訳  誠信書房  2007年)より、紹介します。

①完全であれ
(言葉)挿入語句や括弧にくくった言い回し
     番号をつけて述べる
     「いわば」
     「ご覧のように」
     「すなわち」
(口調)早口で歯切れが良い
     なめらか
     よく調整された
     明確な発音
(身振り)指で数える
     あごをなでる
     両手の指先を山形に合わせる
(姿勢)直立した
     左右バランスのとれた
(表情)会話の途切れに、一方向を見上げる(下を見ることは少ない)
     口元はやや緊張し、軽く閉じている

②他人を喜ばせよ
(言葉)「(高揚)~しかし~(低調)」
     「大丈夫?いいですか?」
     「まあ、なんて言うか…」
     「どう?(同意を求めるように)」
(口調)高い
     キーキー声
     文章の最後が上がる
(身振り)うなずく
      両手を伸ばす(手のひらを上に向けることが多い)
(姿勢)肩をすぼめて、前かがみ
     相手の方に身を傾ける
(表情)眉毛を上げ、下から見上げる
     額に横皺をよせる
     歯を出し、大げさに笑う
     うつむく

③一生懸命やれ
(言葉)「なに?ハッ?エッ?」
     「~やろうと思います」
     「~できません」
     「~は難しいです」
     「よく注意しなさい」
(口調)緊張した
     締めつけられたような
     口ごもった
     ためらいがちな
(身振り)頭の横に手を置く(あたかも精一杯見たり聞いたりしているように)
      手を硬く握り締める
(姿勢)身を前へ乗り出す
     身をかがめる
(表情)眉をしかめる(眉間に皺を寄せる)

④強くあれ
(言葉)(「距離を置く」たとえば、)
     「怒らせないで!」
     「うんざりさせられた」
     「それは良い感じだ」
(口調)抑揚がない
     単調な
     通常低め
(身振り)身振りはほとんどないか、欠如している
(姿勢)不動の
     閉じた(腕を組む、足を組む)
(表情)動きがない
     感情を表さない

⑤急げ
(言葉)「早く!」
     「急ごう!」
     「さぁやろう!」
     「時間がない!」
(口調)スタッカート
     機関銃のような
     一気に話す
     せかせかする
(身振り)指でこつこつたたく
      貧乏ゆすり
      そわそわする
(姿勢)イライラし、せわしなく姿勢を変える
(表情)素早い、頻繁な視線の変化

自分のドライバーを知る手がかりにしてください。

      
[ 2016/08/26 12:30 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)

脚本分析9(ドライバー)

子どもの頃からの人間関係の積み重ねの中で、「自分は~のようにしか生きられない」と無意識のうちに思い込み、まるでお芝居の脚本のように、その筋書き通りに人生を演じていることがある。その人生の脚本に気づき、それが今現在と未来の自分にとって本当に満足できるものなのかどうかを再検討し、必要ならば新しい満足できる脚本に書き換える。

夏休み前、このようなお話をしていましたね。

今日は、人生の脚本を探るヒントとなる「ドライバー」のお話をします。
「ドライバー」とは、心の中で駆り立てるもの、どうしてもそのようにしないと心が落ち着かず不安になってしまうもの、を言います。
多くの場合、親の教育的な言葉が、子どもの中で、いつの間にか、「常に、必ず、自分は~でなければいけない」と強迫的なものに変化して内在化したものです。
ドライバーは5つあります。
  ・完全であれ
  ・他人を喜ばせよ
  ・一生懸命やれ
  ・強くあれ
  ・急げ

①完全であれ
何でも完璧にできないと気が済まない。
「まだ全部おもちゃが片付いていないわよ」「今日のテストは90点だったのね。次は100点をとりなさいね」などの親の教育的な言葉から、常に完全でなければいけない、と思い込んでしまった。

②他人を喜ばせよ
いつでも他者を喜ばせていないと不安。
「○○ちゃんがそんなんだとお母さんは悲しいわ」「お友達とは仲良くしなさいね」などの親の教育的な言葉から、自分を犠牲にしてでも他者を喜ばせないといけない、と思い込んでしまった。

③一生懸命やれ
常に努力していないと落ち着かない。
「一生懸命やりなさい」「努力が一番」などの親の教育的な言葉から、いつも一生懸命やっている状態でないといけない、と思い込んでしまった。

④強くあれ
どんなときも弱い自分が出ることが許せない。
「泣かないのよ」「弱音を吐くな」などの親の教育的な言葉から、いつでも強い自分でいないといけない、と思い込んでしまった。

⑤急げ
じっくりゆったり構えることができず、いつも気持ちが急いている。
「速く歩いて、遅刻しちゃうよ」「ぐずぐずしてないで早くなさい」などの親の教育的な言葉から、いつも急がなければいけない、と思い込んでしまった。

背景にあるであろう親の言葉は、どれも、普通に親が子どもに言うもののようです。
親に悪意がある場合は少なく、多くは、子どもを社会的に通用する人間に育てなくては、という親の教育的な思惑からの言葉です。
子どもは、それまでの親との関係やその他の人々との関係、生活の中の出来事などの文脈の中で、親の言葉を解釈します。
同じ言葉を聞いても、何とも思わない子もいれば、ドライバーにしてしまう子もいます。

子育て中の皆さんは、自分の言葉が子どもを不自由にしてしまうのではないかと、怖くなったかもしれませんね。
必要なだけ恐れ、必要以上には恐れないでください。
自分の言葉が子どもに及ぼす影響を念頭に置きながら、子どもの様子をよく見てください。そして必要ならば、子どもの不安を和らげ緊張を緩める言葉をかけてあげてください。

自身のドライバーについて思いを馳せている皆さん。
子どもの時のあなたは、親の言葉を聞きながら、「絶対に完全でなければいけないんだな」「他人を喜ばせられないと大変なことになる」など、子どもの頭で必死に考えたのですね。「よく頑張ったね」と、子どもの時のあなたをほめてあげてください。
そして、成長したあなたは、「完全でないと意味がない、って本当?」「他人を喜ばせられないと自分の存在価値はない、って思っているけど、本当にそう?」と、自分自身に問い直してあげてください。
ドライバーは、自分自身がかけた呪文。自分自身でその呪文を解いてあげてください。

明日は大阪で仕事のため、ブログはお休みさせていただきます。夏休み明け早々、ごめんなさい。
[ 2016/08/24 10:14 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)

えらい(言葉の不思議)

西日本の皆さん、暑さにお見舞い申し上げます。
東日本の皆さん、台風のお見舞い申し上げます。

長い夏休みを頂き、ありがとうございました。
和歌山の実家に帰ってきました。
故郷を離れて27年、折にふれて方言の面白さに気づいてきましたが、今夏は、「えらい」という方言にハマりました。

「しんどい」「体力的にきつい」ことを「えらい」と言います。子どもの頃から聞きなれた言葉で、特に気にもとめずにきましたが、今夏、「あら、素敵な言葉!」と感動しました。

「毎日暑くて、しんどい、きつい」(標準語)
「毎日暑くて、えらい、えらい」(方言)

同じ意味のはずですが、ずいぶん印象が変わるような気がします。
「偉い、偉い」と、暑くてしんどい自分をいたわっているような、暑さに耐えて生きのびている自分をほめているような、そんな気がしてきます。

「介護していて、しんどい」→「介護していて、えらい」
「宿題のラストスパート、きつい」→「宿題のラストスパート、えらい」

皆さんも、普段何気なく使っている「しんどい」「きつい」という言葉を、心の中で「えらい」に置き換えてみませんか?
辛さばかりに気持ちが向きがちなのが、なんだか、ほっとするような、明るい気持ちが少し戻ってくるような、そんな気がするのではないでしょうか?

明日は、夏休み前の「交流分析の脚本分析」の話の続きをする予定です。
[ 2016/08/23 06:34 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)

夏休みのお知らせ

勝手ながら、本日より8月22日月曜日まで、坂田カウンセリングオフィスを夏季休業とさせていただきます。
それにあわせて本ブログもお休みを頂きます。

暑さ厳しき折、どうぞお体を大切になさってください。お元気で。
[ 2016/08/05 09:26 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)

脚本分析 8

お盆の休みで、家族や親戚、同級生など、過去に印象深い経験をした相手と再会する機会があるかもしれませんね。
脚本分析をしている流れで、そういった相手に対して、過去に抱いていた感情で接することのないように気をつけてください。
たとえあなたがどんなに深く傷ついていたとしても、それがあなたの心の現実であると同時に、また別の現実として、時は流れているのです。そして、相手もあなた自身も、一瞬一瞬の時の流れとともに、変化しているのです。
極端な言い方をすれば、一分前の相手は今の相手とは違う、一分前のあなたは今のあなたとは違う、のです。
この瞬間に初めて出会うふたりとして、相手に接してみてください。
新しい発見や展開があるかもしれませんし、脚本から脱する近道になるかもしれません。
[ 2016/08/05 09:22 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)

脚本分析 7

もし人生に色があるとしたら、あなたのこれまでの人生は何色でしょうか?
あなたの未来の人生は何色でしょうか?

未来の人生をイメージすることが、過去や現在の苦しさを乗り越えるパワーとなります。

自分が自分らしく生き生きと暮らしている、それはどういうことなんだろうか・・・
性格は?仕事は?プライベートは?
自分らしく幸せに生きている私は、色に例えると何色?音楽に例えるなら?動植物に例えるなら?風景に例えるなら?

具体的にも抽象的にも、たくさんたくさん、豊かにイメージしてください。

脚本分析はまだまだ続きます。何のために脚本分析しているのか、その目的を見失って自分を痛めつけることがありませんように・・・
[ 2016/08/04 09:48 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)

脚本分析 6

今日は、自分の年表を作りましょう。
誕生から今日までの、あなたの道のりをたどります。

心に残っている出来事を書き出してください。
いつ頃、どんなことがありましたか?
そのとき、あなたはどんなことを思いましたか?

心に残っている人物を書き出してください。
お父さんはどんな人だった(とあなたは思っている)のでしょうか?
お母さんはどんな人だった(とあなたは思っている)のでしょうか?
おじいさん、おばあさん、兄弟姉妹など他の家族、
おじさん、おばさん、いとこなど親戚、
近所の人、
先生、コーチ、監督、
先輩、後輩、
友人、
その他、心に浮かび上がる過去に出会った人々を書き出してください。

あなたの人生に、同じパターンの繰り返しはないか、チェックしてください。
たとえば、
誰かに好かれようとして他の誰かをおとしめることを、幼稚園でも、小学校でも、高校でも、会社でもやっていた、
ひとりで頑張って苦労をしょいこみ、最後のおいしいところは他の人の手柄になってしまう、というパターンがある、など、
繰り返しのような出来事がないか調べてください。

以前やったワーク(ものへの感情移入、好きな物語の分析、歴史上の人物の分析/脚本分析1~3・7/27~7/29)とあわせて見てください。
あなた独自の生き方の癖、人生の価値観、人生にくっついている感情を考察してください。

過去から現在までの自分の人生を振り返り考察することで、これまで無意識に行っていた生き方を意識化します。自分の生き方を自分でコントロールするための第一歩として、「知る」のです。

自分の人生の脚本を分析するには大変な労力が必要です。
心の痛みを伴うことになるかもしれません。忘れていたあたたかい思い出に出会って心和むかもしれません。

一人で行うワークですので、昨日お願いしたように、くれぐれも無理をせず、今現在の自分を強く意識して、過去の自分をいたわり、未来の自分をイメージして、少しずつ進めていってくださいね。

[ 2016/08/03 09:14 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

坂田カウンセリングオフィス(坂田和代)

Author:坂田カウンセリングオフィス(坂田和代)
東京・大阪でのメンタルクリニック・専門学校相談室・NPOカウンセリングルームのカウンセラーを経て、2016年4月兵庫県姫路市で「坂田カウンセリングオフィス」を開業しました。文明の利器にはめっぽう弱いというセルフイメージに打克つべくブログを始めました。よろしくお願いします。
(現在、平日の月・水・金曜日に記事を書いています)


ホームページはこちらです⇒http://sakatacounsel.web.fc2.com/          (右側「リンク」から入れます)

検索フォーム
カテゴリ