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ラザルスらのストレスの心理学的モデル

ラザルスは、それまでの「ストレッサーによってストレスが引き起こされる」という一方向的な考え方ではなく、「環境と人間は双方向に影響を及ぼしあう」という考えで、ストレスの心理学的モデルを提唱しました。
ラザルスによると、「ストレス」とは、「外的状況の特性や内的状況ではなく、環境の要求とその認知(とらえ方)及びそれに対する対処能力の認知との複雑な相互作用からもたらされる過程」ということになります。

ラザルスとフォルクマンによるストレスの心理学的モデルは、簡単に言うと、次の通りです。

出来事はすべてがストレッサー(ストレスを引き起こすもの)となるわけではない(「潜在的ストレッサー」という考え方)。
出来事(「潜在的ストレッサー」)が起こったときに、人はまず、それが自分にとって脅威的かどうかを判断する(「第一次評定)。
脅威的ではないと判断したときには、ストレス反応は消失する。
脅威的であると判断したときには、それに対して対処可能かどうか、どんな対処法があるかを判断する(「第二次評定)。
対処可能と評定し実際に対処がうまくいくと、ストレス反応は消失。
対処できないと評定すると、情緒的反応(抑うつ、不安、いらいら、不機嫌、怒り、興奮など)が生じる。この段階で、「潜在的ストレッサー」は「ストレッサー」となる。情緒的反応のほかに、認知行動的反応(自信喪失、思考力低下、無気力、ひきこもり、攻撃的行動など)や生理的反応(自律神経系、内分泌系、免疫系反応)も生じる。

さらに詳しくみていくと、

第一次評定(その出来事が自分にとって脅威的かどうか)には、次の3種類がある。

1 「無関係」・・・その出来事が自分にとって何の意味も持たず、特に得るものも失うものもない、と判断した時の評定。
2 「無害ー肯定的」・・・その出来事が自分に害がない、またはプラスになる、と判断した時の評定。
3 「ストレスフル」
A「害ー損失」・・・自分の価値や目標、信念が脅かされてしまった、と判断した時の評定。
 B「脅威」・・・自分の価値や目標、信念が今後脅かされるだろうと判断した時の評定。
  C「挑戦」・・・その出来事に自分の利益や成長の可能性があると判断した時の評定。

第二次評定(その出来事に対して対処可能かどうか、どんな対処法があるか)では、

第一次評定で「ストレスフル」と評定したときに、過去の経験・周りにある資源(リソース/役に立ちそうなもの)・自分の性格などを考え併せて、いつ・どこで・何を・どのようにすると最善な結果が得られるかを、考える。
そして選択した対処法(コーピング)を実行に移し、その結果から再評定をしたり、コーピングの再選択をしたりする。


このように、ラザルスらの理論からは、出来事に対して人は完全な受け身・無力なのではなくて、その出来事や自分の対処能力等をどうとらえるか、どう行動するか、によって、結果は違ってくる、ということがわかります。
私たちが、ストレスだと感じた時に、どうしたらよいのかを、考えるヒントになりますね。

明日は、ストレス・コーピング(ストレス対処行動)についてお話しします。

[ 2016/07/14 11:04 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)

セリエのストレス理論

「ストレス」という言葉は、今や誰しもが知っている日常語ですが、もともとは物理学の「ひずみ」を意味する言葉でした。
今の言葉の意味と近い意味で最初に使ったのは、生理学者のセリエです。生物には、環境の変化があっても体内のバランスを保とうとするホメオスターシスの力がはたらくけれども、有害な刺激(ストレッサー)にさらされ続けると、ホメオスターシスが維持できずバランスを崩していまう、という意味で、「ひずみ」という意味の「ストレス」という言葉を使いました。

「ストレス」は「ストレッサーによって引き起こされているGAS(General Adaptation Syndrome/汎適応症候群)が生じている状態」のことを言います。

また、セリエは、次のような流れでも説明をしています。

1、警告反応期
ストレッサーが与えられた直後に一時的に身体の抵抗力が低下するショック相と、それに対する防衛反応として抵抗力が高まり始める反ショック相から成り、ストレッサーに抵抗するための準備体制が整えられる。

2、抵抗期
ストレッサーに対する抵抗力が正常時を上回って増加し、維持される。

3、疲はい期
さらにストレッサーが持続すると、抵抗力が再び低下し、生体はもはやストレッサーに耐えられなくなって、様々な適応障害が生じる。

心理的なストレスにも当てはまりそうですね。グッと我慢して耐え続けているように見えても、心身には相当の負担がいっているようです。あまりひとりで耐え続けようと頑張りすぎず、カウンセラーを利用してくださいね。

明日は、ラザルスらの心理学的なストレス理論をご紹介する予定です。
    
[ 2016/07/13 09:54 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)

精神的健康のセルフチェック

蒸し暑いですね。
今日は、あなたの精神的健康をチェックしてみませんか?
以下、2~3週間前から今日までについて、「はい」か「いいえ」で回答してください。


A1 心配ごとがあって、あまり眠れていない。
A2 重荷に感じることがある。
A3 ちょっとしたことでイライラする。
A4 怖いという気持ちが強い。
A5 緊張している。

B1 自分には存在価値がないと思う。
B2 人生に絶望している。
B3 何もする気になれず、何もできない。
B4 自分は全く役に立たない人間だと思う。
B5 消えてしまいたいと思う。

C1 楽しく生活できていない。
C2 活動的な毎日が送れていない。
C3 何かをするのに変に時間がかかってしまう。
C4 何かを決めるのに変に時間がかかってしまう。
C5 生きがいを感じられない。

D1 疲れている。
D2 頭痛がしたり頭が重くなったりする。
D3 肩こりがひどい。
D4 変にほてったり寒気がしたりする。
D5 元気がでない。

いかがでしたか?
「はい」が多いほど、精神的健康度が落ちていることになります。
Aは、不安と不眠について
Bは、うつ傾向について
Cは、社会的活動障害について
Dは、身体的症状について
の自覚症状を問う質問です。

『日本版GHQ60』(日本文化科学社)という心理検査を参考に作らせていただきました。
こちらの心理検査は、病院や学校、企業などでよく使われている信頼性の高い心理検査です。
著作権の都合でそのままを紹介することはできませんでしたが、本物をやってみたい方は、坂田カウンセリングオフィスにお問い合わせください。60問に4択でご回答いただき、その場で結果フィードバックをいたします(1時間のカウンセリング時間内に回答が終わらない場合は次回ご予約時のフィードバックとなります)。
[ 2016/07/12 11:03 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)

悩み以外にも寄り添う

精神科デイケアでボランティアやアルバイトをしていたときに、よく聞いた利用者様の言葉があります。
「普通の話をしたい」。

Aさんが言うには、「同じ病気の人たちと話すことで、勇気づけられたり参考になったりすることは確かにある。でも、いつもいつも病気に関する話ばかりだと、自分がものすごい重病人になってしまったような気になってしまって、気が滅入るんです」。
Bさんが言うには、「スタッフさんはみんな優しいし病気のことをわかってくれているという安心感はある。けど、病気の話だけだと、スタッフさんと私は所詮別世界の人間なんだと思い知らされて、みじめになるんです。私は、病気だけれど、普通に、おしゃれにもグルメにも恋にも興味のあるアラサー女子なんです」。

今振り返ると、AさんBさんたちが言っていたことは、ソリューションフォーカストアプローチ(解決志向療法)の核心をついています。
ソリューションフォーカストアプローチでは、「例外探し」をします。
これは、「問題=私」から「問題以外にも多くのものを持っている私」への転換です。
「問題=私」だと、問題に押し潰されて、気が滅入ったり、解決のための行動ができない状態に陥ったりしてしまいます。
一方、「問題以外のもの=例外」を探して、心の中にその場所を作ってあげると、心に余裕ができたり、解決のヒントがみつかったりするのです。

悩みにまっすぐ向き合う日も、悩み以外のことに心たゆたう日も、どちらも大切なんですね。
[ 2016/07/11 08:06 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)

雑談セラピー?

カウンセリングに来られる方の中に、1時間のカウンセリングの大半を、漫画やアニメの話に使う方が、時々いらっしゃいます。
「え?雑談して何の意味があるの?時間もお金ももったいない」と思われたでしょうか。
Aさんは、口では、アニメのストーリーやキャラクターの性格を語りながら、心では、自身の人生・性格を語ります。
Bさんは、漫画の中のセリフを語りながら、自身の悩みを解決するためのヒントに、はっと気づきます。
Cさんは、ただ人と楽しい会話をしたくて、アニメの話をします。
Dさんは、自分のことを話すのが怖くて、だけど人と関わりたくて、安全に関わるために、漫画を話題に選びます。
等々、同じような雑談に思えるような話をしながら、心の中で起こっていることは、人それぞれです。
カウンセラーは、心の中で起こっているのはどんなことだろう、と心を研ぎ澄まして聴いています。そして場合によっては、感じとった心の中の出来事を、「~なのかなって感じたんですが、どうですか?」とフィードバックします。そこが、日常会話と違うところでしょうね。
カウンセリングでは、雑談の形をとりながら心を表現しているクライエント様が、安心してより深くご自身の心に触れられるように、援助しています。
[ 2016/07/08 09:30 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)

気持ちが近すぎて遠ざかる

家族の病気を知ったとき、「病気に良い食べ物は?悪い食べ物は?健康食品は?」と血眼になって探していた私。そのとき、パートナーが一言。「はしゃぐな」。
きつ~い一言。でも、そう。彼曰く、「身内が病気になって動揺する気持ちはわかる。それはしょうがない。けど、本人の気持ちはどこに?本人の気持ちを抜きにして、周りが勝手に盛り上がるのは、本人には迷惑なことだと思うよ」。
その人のことを思う気持ちが強すぎて、気持ちが近すぎて、だからこそ、気持ちが先走って、大切なその人から気持ちが遠ざかってしまう、そういう皮肉なことが起こるのですね。
大切な人を思う気持ちはそのままに、その人に心寄り添って、共に問題を乗り越えていく・・・そのお手伝いをするのも、カウンセラーの仕事です。
[ 2016/07/07 08:34 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)

安寧の波及効果

つらさが中心から外側に広がっていくにつれて中心のつらさ濃度が薄まっていく・・・そして、外側からの安心・穏やかな気持ちが内側に伝わっていく・・・
心の病気や問題を抱えたご本人ではなく、ご家族やパートナーがカウンセリングに来られることがあります。その場合、カウンセラーはご本人に直接かかわることはできないわけですが、カウンセリングが深まるにつれて、ご本人の状態がよくなっていきます。
カウンセリングでご家族・パートナーが心の安寧を得ることで、ご本人にもその安寧が波及していくようです。
すると、ご本人からご家族・パートナーへと安寧が波及していく流れも出てきます。
安寧の双方向からの波及効果・・・素晴らしいですね。
[ 2016/07/06 10:15 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)

つらさの同心円に入れて下さい

家族が病気になって、改めて実感したのは、患者本人はもちろん、その一番そばにいて支えになっている人のケア・サポートの重要性。
患者本人を中心とした同心円をイメージしました。中心がもっともつらさが濃縮されている所。中心のすぐ外側の円(一番近くでサポートしている人)もまだまだ濃いつらさ。その外側の円、さらにその外側の円と広がっていくにつれて、つらさが少しずつ薄まっていく。中心のつらさが、液体が拡散していくように、外側に広がっていくことで少しずつ、薄まっていくのではないか・・・そんなイメージが浮かびました。
カウンセラーは、外側の円にしか位置づけられない存在ではありますが、病気や問題を抱えるご本人やそのそばでサポートしている方のつらさを、少しでも薄められる存在として、同心円の中に入れていただければと思っています。
[ 2016/07/05 10:34 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)

再開のお知らせ

ご迷惑・ご心配をおかけしました。
本日より、本ブログとカウンセリングルームを再開しました。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
[ 2016/07/04 13:51 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

坂田カウンセリングオフィス(坂田和代)

Author:坂田カウンセリングオフィス(坂田和代)
東京・大阪でのメンタルクリニック・専門学校相談室・NPOカウンセリングルームのカウンセラーを経て、2016年4月兵庫県姫路市で「坂田カウンセリングオフィス」を開業しました。文明の利器にはめっぽう弱いというセルフイメージに打克つべくブログを始めました。よろしくお願いします。



ホームページはこちらです⇒http://sakatacounsel.web.fc2.com/          (右側「リンク」から入れます)

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